マラソン前のウォーミングアップは必要?最高の結果を出すためのコツ
マラソン大会に行くと、早い時間からジョグを始めているベテランランナーの方をよく見かけます。早い人はレースの1時間半前くらいから体を動かしはじめて、あれでバテないのか心配になりますが、他人は他人、自分は自分です。ランナーは周りに流されない図太さも必要です。
では理想のウォーミングアップというのはどのようなものなのでしょう?実はこれには正解がありません。例えばサブ3を狙うランナーと完走が目標のランナーとでは、考え方がまったく違ってきます。そこで、ここでは様々なケースでベストコンディションを作り出すコツをご紹介していきます。
目次
- ○ 自分のコンディションを確認するために1kmを走る
- ○ 完走が目標なら1kmのジョグだけでOK
- ○ 心拍数を上げるなら流しも入れて心拍数を上げておく
- ○ 短い距離のレースなら体温もしっかり上げておく
- ○ まとめ
自分のコンディションを確認するために1kmを走る
どのレベルでもやってもらいたいのが、その日のコンディションを探るためのジョグです。1kmくらいを軽く走ってみましょう。走りながら、体に違和感がないのか、いつもと比べて重く感じるのか、それとも軽く感じるのかを確認しましょう。
ここでの情報収集が走り出してからの方向修正に役立ちます。いつもよりも走れない感じで、スタートしてからも重たい感じが続くなら、不本意かもしれませんがペースを下げる必要があります。その日は勝負する日ではなかったということです。
このように自分の現状を確認するためにも、1kmくらいを走っておきましょう。体が温まったかは気にする必要はありません。どうせ整列ブロックに入って待機したら、体は冷えてしまいます。温まるまで走る必要はないことを覚えておきましょう。
完走が目標なら1kmのジョグだけでOK
目標が完走なら、走力がかなり足りていないということですから、ウォーミングアップで消耗するのは避けましょう。スタートしてからも渋滞に巻き込まれるので、5kmくらいまではゆっくり走ることになります。わざわざウォーミングアップをする必要はありません。
初心者にありがちなのが、静的ストレッチをしてしまうことです。スタートまでにすることがないので、手持ち無沙汰で静的ストレッチをしがちですが、何の役にも立たないどころか、筋肉の反発力が失われて、いつも通りの走りができなくなります。
ストレッチをしたいなら、動的ストレッチだけにしておきましょう。YouTubeなどで動的ストレッチの解説をしている動画がいくつもありますので、それらを参考にしてください。ただし、レース前にいきなりやるのではなく、普段の練習前に試しておきましょう。
このレベルですとレースだからといって特別なことをしないのが重要です。みんなが体を動かしているからといって合わせる必要はありません。普段のトレーニングでもウォーミングアップをしていないなら、レースでも同じように走り出せばOKです。
心拍数を上げるなら流しも入れて心拍数を上げておく
サブ3を狙うランナーになると、それなりのスピードで走ることになります。このときスムーズに体がそのスピードに合わせられるようにするために、ウォーミングアップを行ってください。ジョグをしてから、動的ストレッチを行って体をほぐしていきましょう。
体を温めても冷めるから意味がないとお伝えしましたが、そうはいっても1度エンジンを温めておくことで関節などの細かい部分での柔軟性や滑らかさが変わってきます。心拍数を1度上げておくことで、心肺機能を目覚めさせることも出来ます。
ですのでサブ3を狙うのであれば、それなりに心拍数を上げておきましょう。ただし、消耗は避けなくてはいけません。エネルギーを消費せずに心拍数を上げて、体を慣らすという技術がこのレベルになると求められます。
ただ、それほど難しいことではありません。できることは限られていますので、流しを数本入れるだけで十分です。30mくらいの距離で気持ちよくスピードを上げていきましょう。3〜5本くらい入れれば、いつでも走り出せる状態になります。
しつこく何本もしないというのがポイントです、集中して短時間で終わらせましょう。心拍数は1度しっかり上げておけば、きちんと対応してくれます。自分の体を信じて、ウォーミングアップはサクッと終わらせてしまいましょう。
短い距離のレースなら体温もしっかり上げておく
フルマラソンではなく、5kmや10km、ハーフマラソンという距離を走る場合には、基本的にはスタミナ切れを心配する必要はありません(きちんと練習をしていれば)。この場合にはスタートラインで体温がそれなりに上がっている状態にしておきましょう。
最初のジョグの時間を少し長めに10分程度確保しましょう。温まったら動的ストレッチを行うのはフルマラソンと同じです。流しを数本行って可動域を広げておき、あとはレースペースで200mくらいを走っておきましょう。
その日のコンディションで自分のレースペースがどれくらいなのか感じながら、心拍数も体温も上げていきます。調子がいいからといってレースペースよりも上げるのはNGです。それをする意味は何もありません。自分の走りが乱れるだけです。
これらのアップをスタート15分前まで行って、スタートラインに立ちましょう。体が温まっているので、いきなりレースペースに入っても対応できます。ただ、体が動きすぎるので「今日は調子いい」と勘違いしないように気をつけましょう。
「今日は調子いい」なんてことはありません。それは失速への罠ですので、きちんと想定したペースを維持して、本当に余裕があるならラスト数キロでペースを上げましょう。
まとめ
ウォーミングアップをする理由は次の4点です。
1.体を目覚めさせる
2.可動域を広げる
3.高い心拍数に慣れておく
4.短い距離のレースでは体を温めておく
これらのことを、エネルギーをできるだけ使わずに行う必要があります。ですので、ゆっくりと時間をかけて行うのが理想です。ウォーミングアップメニューを詰め込みすぎないように、1つずつの動きの間にしっかりと休みを入れておきましょう(ただし冷えないように)。
そしてタイムを追うのであれば、心拍数を上げておき、短い距離のレースなら体温もしっかり挙げた状態でスタートラインに立ちましょう。もちろん、やり過ぎはNGです。少し足りないかなというくらいの感覚でコンディションを整えて、最高の状態で走り出しましょう。