ランニングを支える3つの柱「トレーニング・食事・睡眠」
ランニングのパーソナルトレーニングというと、一般的にはランニングフォームやトレーニング方法を提案することになります。パーソナルですので、それぞれの体に合わせて教えることができるので、効率よく成長できるというメリットがあります。
ただし、ランナーにとって必要なのはトレーニングだけではありません。確かにトレーニングを積めば走れるようになりますが、それだけではすぐに伸び悩むことになります。そこで、ここではトレーニングも含めて、ランニングを習得するために必要な3つの柱について解説していきます。
目次
ランニングは走るだけでは成長しない
ランニングを始めたばかりは、走れば走るほど記録が伸びていき、それが嬉しくてさらに練習を重ねていくことになります。「走った距離は裏切らない」という言葉を信じて、とにかく月間走行距離を伸ばすことばかり考えてしまうわけですが、これではいずれ伸び悩んでしまいます。
伸び悩んだところで「もっと練習しなきゃ」と考えたら、そこは泥沼への入口になります。ほとんどのランナーはそこで膝や足裏などを傷めてしまい、走れなくなります。そして、ランニングをやめてしまうということが多々あります。
そうならないために、まずランニングをするにあたって大切な3つの柱についてお話します。
・トレーニング
・食事
・睡眠
これが、ランナーにとって欠かせない3つの柱です。
トレーニングは言うまでもありません。走らないことには成長はありません(筋トレなども必要ですが)。でも、それと同じくらい食事と睡眠が大切です。なぜ大切なのかについて、次章以降で詳しく解説していきます。
トレーニングの基本は「超回復」にあり
ランニングに限らず、体を鍛えるときの基本に「超回復」という考え方があります。トレーニングによって筋肉を破壊し、それが修復されたときには以前よりも強い筋肉になると言われています。上の図にあるように、トレーニングと超回復を繰り返すことで筋力がアップします。
ここでは筋力として説明していますが、これは心肺機能にも当てはまります。心臓も肺も筋肉で作られていますので、トレーニングによって高い負荷をかけて、しっかりと回復させることで元よりも強い心臓や肺になるというわけです。
この超回復で必要になってくるのが、食事と睡眠です。
筋肉の原材料となるのはタンパク質ですが、トレーニングをしたあとに体内に十分なタンパク質がない場合には超回復どころか、元の状態に戻すことすらできなくなります。このため、トレーニング後には適切な量のタンパク質を補給しておく必要があります。
また、筋肉の回復を促すのは睡眠です。様々なリカバリーアイテムが世の中にはありますが、そのほとんどは科学的根拠がなく、睡眠以上の効果を得られる回復方法はありません。このため、トレーニングをしたあとには十分な睡眠が必要になります。
タンパク質を摂ればいいというわけではない
トレーニングのあとにタンパク質を摂る必要があるとお伝えしましたが、じゃあランニングのあとにお肉を食べたり、プロテインを飲んだりすればいいのかというと、必ずしもそういうわけではありません。何も考えずにそれらを摂取すると筋肉が太くなります。
筋肉が太くなると体重が増えて走りにくくなります。このため、ランニングにおいては「筋肉を肥大させずに筋力をつける」必要があります。ちょっと難しそうは話ですが、ランニングの面白さはここにあるので、しっかりとついてきてください。
「筋肉を肥大させずに筋力をつける」は矛盾しているように感じるかもしれません。でも、箱根駅伝の選手などの体を見ていると、みんな折れてしまいそうなほど足が細いですよね。彼らは十分な筋力がありつつも、筋肥大は起こしていません。
大事になのは「適切な量のタンパク質を摂取する」ということと、脂肪を増やさないために「摂取カロリーを抑える」ということです。でも、摂取カロリーを減らしすぎると筋力も低下するので、大事なのは最適なバランスを見つけ出すということです。
高タンパクで低カロリーの食事を適量食べる。言葉にすると簡単ですが、実行しようとなるとその難しさがわかると思います。ただ、ここではまずそういう食事管理も重要になるということだけ覚えておいてください。
寝不足になってまで走る必要はない
私はランニングの習慣化のために朝ランを推奨しています。ただし、朝ランをしていいのは十分な睡眠時間を確保できているときだけです。十分な睡眠というと「具体的に何時間くらいですか?」と質問されることがよくあります。
これは人によって違いますが、あえて基準を設けるなら「6時間+トレーニング時間」がひとつの目安になります。例えばランニングを1時間した夜は、7時間眠れるようにします。トップアスリートの中には、10時間は寝るという人もいるほど睡眠は重要です。
会社員をしている場合には、とても10時間も寝るのは無理だと思います。でも「6時間+トレーニング時間」は実行してください。休んでいないのにトレーニングをしても、その効果はかなり低くて、さらには疲労をためてしまってケガの発生率を高めてしまいます。
朝ランはとてもおすすめのトレーニング方法ですが、飲み会があって終電で帰った翌朝に早起きするのはNGです。優先順位としては「睡眠>トレーニング」です。
ランニングにハマってくると、ストイックに追い込むことが楽しくなりますが、睡眠時間を削って走ることはストイックとは言いません。本当のストイックとは、睡眠時間を削らなくてはいけない環境を作らないということを言います。
「眠れないなら走らない」
このことは絶対に忘れないようにしてください。
まとめ
ランニングは走る部分だけ注目されがちですが、本当は生活そのものを変えることに意味があります。睡眠時間とトレーニング時間を確保しようと思ったら、規則正しい生活をすることになりますし、食事も体にいいものを取り入れることになります。
その過程で栄養学についての勉強をすることになり、体については生理学を学びたくなっていきます。そうやって知識を身に着けて、またランニングにフィードバックしていく。これがランニングのある生活を送るということです。
それぞれのポイントについては、またブログに書いていきますが、ここでは「トレーニング・食事・睡眠」のバランスが大事だということだけ覚えておきましょう。
もっと詳しく知りたいという方は、パーソナルトレーニングをお申し込みいただければ、トレーニングと合わせてお話いたしますので、ぜひエントリーページからお申し込みください。