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マラソンで鼻呼吸は本当?ランニングで大事なのは自然な呼吸

マラソンやランニングのノウハウ記事などを読むと「ランニングは鼻呼吸」というようなことが書いてあります。これは鼻のほうが酸素の消費率を上げられるためですが、だからといって必ずしも鼻呼吸が優れているわけではありません。鼻呼吸をすることで、パフォーマンスが下がったという研究結果もあります。

それなのになぜ、多くの記事で「鼻呼吸がいい」と紹介しているのでしょう?本当に鼻呼吸がいいのか、それとも口呼吸でも問題ないのか、ここではマラソンやランニングにおける、理想的な呼吸方法について解説します。

目次

量の口呼吸と質の鼻呼吸

まずは口呼吸と鼻呼吸の違いについて説明します。一般的には「量の口呼吸と質の鼻呼吸」と言われており、1度にたくさんの空気を吸えるのが口呼吸で、吸った空気の中からより多くの酸素を消費できるのが鼻呼吸となっています。鼻呼吸のほうが深い呼吸ができ、肺の奥にまでしっかりと酸素を届けられるためと考えられます。

でも鼻からの呼吸は口からの呼吸と比べると、空気抵抗が2〜3倍もあります。このため、負荷の軽い走りをしている場合には鼻呼吸でも問題ありませんが、負荷を上げると鼻呼吸では深く呼吸ができなくなり、パフォーマンスが低下してしまいます。いくら効率よく呼吸ができても、そもそも必要なだけの酸素が入ってこないので走れないわけです。

このことからもわかりますように、呼吸で大事なのは酸素をどれだけ多く肺に届けるのかということになります。口呼吸であれば呼吸そのものは浅くても、大量の酸素を送り込むことができるので、ある程度負荷が上がってもペースを落とすことなく走り続けられます。

また、人によっては鼻が詰まりやすく、そもそも鼻呼吸ができないという人もいます。理想は鼻呼吸なのかもしれませんが、鼻呼吸で走れるのはジョグペースくらいまで。それ以上のペースになると酸素が足りないのでスピードを出すことができず、いいパフォーマンスになりません。

鼻も口も使って呼吸すればいい

鼻呼吸と口呼吸、それぞれにメリットやデメリットが違いますが、必ずしもどちらかだけで呼吸しなくてはいけないという決まりはどこにもありません。ランニング中級者が陥りやすいミスですが、専門書やトレーナーに「鼻呼吸がいい」と言われると、口を閉じて鼻だけで呼吸してしまいがちです。

でもよく考えてください。鼻も口も使って呼吸すればいいじゃないですか。そうすれば1度に吸い込める呼吸量が増えるわけですから、むしろ両方を使わない理由がありません。少なくともマラソンのように瞬間的な負荷がそれほど高くない競技では、自然な呼吸で十分です。

むしろ「鼻呼吸にしなきゃ」「口呼吸にしなきゃ」というように、制限を加えてしまうことできちんと空気を取り込めなくなる可能性もあります。練習次第では鼻だけの呼吸や口だけの呼吸も身につけることができますが、それが自分に制限を与えていることになるというのは頭に入れておきましょう。

特に鼻呼吸は、鼻詰まりなどでそれができなくなったときに、走りにかなりのマイナスとなります。また、1500m走のように短い距離のレースになると、鼻呼吸では本来のパフォーマンスを発揮することはできません。少なくとも口呼吸、理想は自然な呼吸で走ることです。

呼吸で大事なのは吸い方ではなくリズム

マラソンの呼吸で大事なのは吸い方ではありません。吸い方は意識しなくても、必要なだけの酸素を自然な呼吸で取り込むことができます。本当に大事なのはリズムよく呼吸するということです。基本は歩数に合わせて呼吸しましょう。そうすることで走りにリズムが生まれます。

自然な呼吸を心がけながらも、足の動きと呼吸をシンクロさせましょう。「吸って吸って、吐いて吐いて」のセットが基本ですが、「吸って吸って吸って、吐いて吐いて吐いて」でも問題ありません。大事なのは無意識にできるようになることです。

意識的に呼吸を切るのではなく、緩やかに切り替えるのがポイントです。このとき呼吸は肺の背中側に入れるイメージで吸い込みましょう。そうすることで呼吸が通常よりも深くなります。ただし、呼吸が深すぎると足の動きとシンクロしないので注意してください。

・自然な呼吸
・できるだけ肺の背中側に空気を送り込むイメージ
・足の動きとシンクロさせる

この3つの条件が揃うスピードで走るのが理想です。そうすることでリズミカルに気持ちよく走れます。リズミカルに走れれば、42.195kmをそれほど長く感じることもないはずです。「リズミカル」を難しく感じる人は、音楽を聴きながら走るのもおすすめです。

まとめ

学生時代の体育の授業では、息を切らして全力で走ることを求められましたが、大人のランニングでは競技志向の人でもないかぎり、そのような走り方は必要ありません。むしろ長い距離を走りたいなら、呼吸を意識しなくても済むペースで走りましょう。

ただし、効率よく酸素を取り込めることが大切ですので、できるだけ多くの空気を取り込むために口も鼻も使って呼吸してください。どちらか片方だけに絞る必要はありません。難しく考えずに自然な呼吸で走りましょう。

そのときに深く呼吸できるように、肺の背中側に空気を送り込むイメージを持つと、より多くの酸素を取り込めます。ただし呼吸が深くなりすぎると、足の動きと合わなくなるのでその場合には、ペースを落とすか呼吸を少し浅くなるように調整しましょう。

苦しいほうが頑張っている感が出ていいと思っているかもしれませんが、それは頑張っているように見えるだけで、実際には非効率な走り方になります。気持ちよく走りたいのであれば、できるだけ楽に走れる呼吸を目指しましょう。

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