体幹を意識しよう!ランニング初心者が意識すべき姿勢
ランニングについて解説する前に、まずは体に負担がかかりにくい姿勢を知ることから始めましょう。人間はそれぞれに骨格や筋肉のつき方が違います。足の長さも右と左で違うのがあたり前なので、すべての人に共通する正しい姿勢というものはありません。
ただし、共通して意識したほうがいいポイントというものがあります。それが体幹を意識した上半身の使い方です。この体の使い方に関しては、日常生活での意識を変えることで改善できます。そこで、ここではランニングに役立つ基本の姿勢について詳しく解説していきます。
目次
立ち姿が美しい人は走る姿も美しい
街で歩いている人を観察していると、実に様々な歩き方をしていることに気づきます。多いのは猫背で肩が前に入っている人で、さらには腰が大きく反っている人も見かけます。こういう人がランニングをすると、まず間違いなく走る姿も美しくなりません。
反対に背筋がピンと伸びて、軽やかに歩いている人は、ランニングをしたときも、無理のない美しい姿勢で走ります。モデルさんでランニングをしている人もいますが、彼女たちは筋力がないので速く走ることはできませんが、フルマラソンを走ってもフォームが崩れることはありません。
姿勢が良いといい意味では落語家の方も立ち姿が美しく、マラソンをしてみると普段ほとんど練習できてないのに軽々と完走する人もいます。これまで多くのランナーを見てきましたが、きれいに立てる人は走る姿も美しく、それでいてほとんどケガをすることもありません。
それではきれいに立てる人とそうでない人には、どのような違いがあるのでしょう?
きれいに立てる人は、インナーマッスルと呼ばれる体の内側の筋肉が発達しており、体の幹が安定しているため体軸が真っ直ぐに伸びています。いわゆる体幹が整っている状態で、このような人はランニングをしても、体の軸がブレないので美しく見えるというわけです。
ランニングとウォーキングの基本となる姿勢
体幹を整えるとなると、体幹トレーニングをしなくてはいけないと思うかもしれませんが、これからランニングを始めようという人が、最初から体幹トレーニングを取り組む必要はありません。もちろん、取り組めればベストですがそんな時間もないかと思います。
そんなことに時間をかけなくても、必要なインナーマッスルを鍛える簡単な方法があります。まずは上の写真を参考に、下記の手順で真っ直ぐに立ってみましょう。
1.腰を軽く反る
2.腰を反ったままおへそを肩甲骨(背中)のほうへ軽く引き上げる
3.頭頂を糸で引っ張られる意識を持つ
4.肩甲骨とお尻を少し体の内側に寄せる
お腹が普段よりも薄い状態になり、肩がやや後ろになっていたら正解です。おそらく、同じ姿勢を5分も続けられないかもしれません。最初はそういうものですので安心してください。ただし、最終目標は起きている時間はすべてこの姿勢でいることです。
歩くときも椅子に座るときも、腰を軽く反っておへそを肩甲骨側に引き上げる。頭頂を高くして、肩甲骨とお尻を内側に寄せる。ポイントは力を入れないということです。男性は力があるのでパワーでなんとかしようとしがちですが、力を入れるとインナーマッスルは鍛えられません。
最初は1分でもかまいません。できるだけ意識して行うようにしましょう。おそらく翌日は耐え難いくらいの筋肉痛になりますので、あまりやり過ぎないようにしてください。これを常に意識していれば、走るのに必要なインナーマッスルが鍛えられ、立つ姿も走る姿も美しくなります。
姿勢が身につくのは半年から1年かかる
私たちの普段の姿勢というのは生活習慣の影響を受けます。日本人に猫背の人が多いのは、デスクワークをしている人が多いためで、運動不足で背中側の筋肉が衰えている人は反対に反り腰になります。このため無理のない姿勢を身につけるには生活習慣から見直さなくてはいけません。
ただし、体に負担のかからない姿勢が自然と身につくまで、少なくとも半年はかかります。人によっては1年以上かかるかもしれません。私はピラティスによって姿勢を矯正しましたが、月に1~2回のレッスンだったのもあり、姿勢が変わるのに3年近くかかりました。
ただ、この姿勢を意識して走れるようになると、長い距離を走っても疲れなくなります。新幹線や飛行機などの移動で、長時間座っていても腰が痛くなることもありません。そして何よりも、走ることそのものが体幹トレーニングになるので、走り続けるだけで美しい姿勢をキープできます。
最初はとても大変ですが、これを習得するかどうかでランニングライフは大きく変わります。美しい姿勢で立ったり歩いたりできるようになると、自分に自信を持てるようにもなりますので、人によっては人生そのものが変わる可能性もあります。
まとめ
ランニングは足で走ると思っているかもしれませんが、実際には腰で走ります。正確には体の背面の筋肉を使って走るのですが、それをするにはインナーマッスルが十分に鍛えられている必要があります。だから体幹を意識して立ったり走ったりすることが重要になります。
ただ、この体幹を意識するというのは、文章で伝えるのには限界があります。特に男性はアウターの筋肉が強いので無意識にアウターの筋肉を使いがちで、そうなるといくら頑張っても体幹が整いません。
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