自分の体に合った走り方を身につけることの重要性
ランニングを教えていると「正しいフォームを教えて下さい」と言われることがよくありますが、RUNWAYでは基本的な考え方として、「正しいランニングフォームなんてものはなく、いま走っているフォームが体にとって1番無理のない走り方」だと教えています。
でもランニング雑誌には「正しいランニングフォーム」を紹介していたり、「これが正しい」と教える人がたくさんいます。ではなぜRUNWAYでは「正しいランニングフォームはない」としているのか、ここではランニングにおけるフォームの考え方について解説していきます。
目次
- ○ ランニングフォームは骨格や筋肉のつき方に影響を受ける
- ○ ランニングフォームはランニングシューズの影響を受ける
- ○ 人間は自分が走りやすいように走っている
- ○ 個性を活かしつつ改善するのがパーソナルトレーニングの役割
- ○ まとめ
ランニングフォームは骨格や筋肉のつき方に影響を受ける
人間ですので骨の数や筋肉の数が、人によって違うということはありません(先天的に欠けている人はいるかもしれませんが)。ただし、骨の長さや形、そして筋肉のつき方は人によってまったく違います。さらに1人の人間でも右足と左足で長さが違います。
このような個人差があることを、私たちは忘れがちです。そして、この違いがランニングフォームに影響を与えるというあたり前のことを見逃しがちです。これはランナーだけでなく、ランニングを教えるトレーナーでも理解できていない人がたくさんいます。
もちろん、科学的に正しい走り方というのはあります。その走り方をすれば、確かに速く走れるようになるかもしれませんが、自分の体のつくりに適合していない走りだった場合、関節などに無駄な負荷がかかってケガをしてしまいます。
ですので、科学的に正しい走り方が必ずしも自分にとって最適な走り方とは限りません。オリンピックを目指すなら、最適なランニングフォームになるように矯正をするという選択肢もありますが、それによってケガのリスクが上がりますので、市民ランナーにはおすすめしません。
ランニングフォームはランニングシューズの影響を受ける
正しい走り方というのはランニングシューズによっても違います。いま流行りのヴェイパーフライなどは前足部から着地するフォアフット着地を推奨していますが、アメリカで人気のブルックスのランニングシューズは踵着地で走るように作られています。
シューズメーカーは「どんな走り方にも最適なシューズ」としてランニングシューズを販売していますが、そんなランニングシューズは世界中探してもどこにもありません。ランニングシューズには最適な走り方があり、それと自分の走り方が一致していないと自分のポテンシャルを引き出すことができません。
世の中には無数のランニングシューズがあり、それぞれに正しいフォームが違うのに、「これが正しいフォームです」と押し付けられるとどうなるか。いくら練習をしても記録は伸びませんし、それどころかこのケースでもケガを引き起こすことになります。
人間は自分が走りやすいように走っている
私たち人間には順応性というものがあり、何も考えずに走れば自分にもっとも無理のない走り方を自然と選ぶようにできています。他の人からしたら「それは走りにくそう」と思うようなフォームでも、その人の骨格や筋肉を考えるとベストな走り方だったりします。
ではなぜ、ランニング雑誌やトレーナーは「正しいフォーム」を推奨するのか。答えは簡単です。ひとつの形にはめ込むほうが教えやすいからです。1人1人を見てそれぞれに正しいフォームを探し出し、それを身に着けさせるというのはかなり大変な作業です。
10人近く集まるグループレッスンで、1人1人に適したフォームを教えていたら、レッスンがほとんど進みません。だから、ひとつの形を提案して、そこに近づくようなメニューを組みます。とても合理的ですが、当然ながらそれでは体に負担がかかってしまいます。
また、ランナー側が正解を求めているという問題もあります。「自分が速く走れない、長く走れないのはランニングフォームに問題がある」と考え、正しいフォームを身につければもっと走れると思い込んでいるランナーが多数います。
その考え方は間違ってはいませんが、すでにお伝えしましたように、正しいフォームというのは人の数だけありますし、ランニングシューズの数だけあります。たった1つの正解というのがないのがランニングの難しさであり、面白さでもあります。
個性を活かしつつ改善するのがパーソナルトレーニングの役割
RUNWAYではパーソナルトレーニングという形でランニングを教えていますが、基本的には依頼者の個性を大事にしてトレーニングの提案を行います。それに加えて、すべてのランナーにとって必要な体幹の意識についても合わせてお伝えしています。
どんな骨格、どんな筋肉の人でも、体幹の意識を持つことで走りは改善できます。時間はかかりますが、楽に長い距離を走れるようになります。ですので、そういう共通の部分もトレーニングメニューに組み込みつつ、個性を壊さないように心がけています。
個性というのは骨格や筋肉のつき方だけでなく、トレーニングをできる場所や頻度なども含まれます。1週間に1日しか走れない人と、1週間に7日走れる人では必然的にトレーニング内容が変わってきます。それらを完全にオーダーメイドするのがパーソナルトレーニングの役割です。
もちろんRUNWAYだけでなく、他のパーソナルトレーニングでも同じ考え方がベースにあるはずです。正直なところパーソナルトレーニングは高額です。でも他の誰かのために用意されたプログラムではなく、自分の体に合ったプログラムでトレーニングできるので、ケガもしにくく成長スピードも上がります。
そこにメリットを感じてもらえれば、きっと価格にも納得していただけるはずです。
まとめ
ランニングを始めたばかりの人は、自分のやり方に自信がなく「これでいいのかな」と不安に感じながら試行錯誤をしていくことになります。それもランニングの面白さのひとつですが、自分に合っていないことを正しいと信じて積み重ねても、プラスになるどころかマイナスになってしまうこともあります。
すでに「すべての人に共通した正しいフォームなんてない」ということは理解できたかと思いますので、次は自分に合ったフォームとは何なのかを考えてみてください。これは人それぞれ違いますので、私も実際に走り方や体つきをチェックしてからでないと、的確なアドバイスはできません。
もし自分で見つけられる自信がないなら、ぜひRUNWAYのパーソナルトレーニングを活用してみてください。