ランニング初心者によくある膝の痛みの対処方法と予防のポイント
多くのランナーが経験することになる膝の痛み。ベテランランナーになると「いつものこと」と慌てずに対処できますが、初心者ランナーは痛みの原因や対処方法がわからずに、そのままランニングをやめてしまうこともよくあります。
せっかくシューズやウェアを揃えてランニングを始めたのに、それではもったいないですよね。正しい知識があれば、膝の痛みは対処することもできますし、予防しておくことも可能です。そこで、ここでは初心者が膝の痛みに悩まされないために、対処方法と予防のポイントをご紹介していきます。
目次
- ○ 膝が痛くなる原因は体重オーバーか練習のしすぎ
- ・体重オーバーで膝に痛みが出る理由
- ・練習しすぎて膝に痛みが出る理由
- ○ 走っているときに膝に痛みが出たときの対処方法
- ○ ランニングでの膝の痛みを予防するために初心者が自分ですべき2つのこと
- ○ まとめ
膝が痛くなる原因は体重オーバーか練習のしすぎ
初心者に限らず、すべてのランナーに共通する膝痛の原因は2つあります。
・体重オーバー
・練習のしすぎ(オーバートレーニング)
それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。
体重オーバーで膝に痛みが出る理由
どれくらいが体重オーバーになるのかは、人によって違いますので明確な数字を出すことはできませんが、体重はBMIが25以上ある状態でランニングを始めるのはかなり危険だと考えてください。膝は体重を直接受ける場所なので、体重が重たいと荷重に耐えられなくなって痛みを発生します。
体重が重すぎる場合、RUNWAYではまず体脂肪を落とすためのトレーニングを行います。すぐにでも走り出したい気持ちはわかりますが、膝は消耗すると元に戻ることはありません。大事に大事に使わなくてはいけないので、体重を軽くして負担を減らします。
練習しすぎて膝に痛みが出る理由
そして、もうひとつの原因は「練習のしすぎ」です。ほとんどの初心者ランナーはこれに引っかかります。なぜなら、初心者は練習すればするほど速くなるので、成長することに気持ちよくなって「もっとがんばろう」となるためです。
マラソン大会に参加するようになると、その傾向が強くなります。自分はもっとできるはずだと思って追い込んでしまう。でも、実際にはカラダづくりには2~3年はかかります。走りはじめて1年も経過しないうちにトレーニング量を増やすのは、基礎ができていない場所に家を建てるようなものです。
順調そうに見えて、実はとても不安定な状態にあり、ちょっとしたことでケガを起こしてしまいます。今まで大丈夫だったのが、明日以降も大丈夫とは限らない。これが膝痛の怖さでもあります。
走っているときに膝に痛みが出たときの対処方法
ランニング中に膝に痛み、もしくは違和感があったらゆっくりとスピードを緩めてください。すぐに止まらないようにしましょう。10mくらい歩いてから止まって、まずは息を整えてください。そのあと軽く屈伸をしてください。それで痛みが出るようなら練習は中止です。
屈伸をして痛みがなくなることもあります。ちょっと間違った電気信号が神経に流れただけかもしれません。疲労が溜まっていて走り方がおかしくなっている可能性もあります。屈伸をして、もう1度走り出してみましょう。それで痛みが出たらやはりそこでストップです。
まずすることは休ませることです。1~2日ではなく1週間休んでください。1週間も休んだら不安と思うかもしれませんが、その気持ちがオーバートレーニングを招いています。きちんと鍛えている人なら1週間くらい走らなくても体力は落ちません。
どうしも不安ならプールで泳いだり、体幹トレーニングをしたりして体を動かしましょう。とにかく膝に負担をかけないようにしてください。痛みが発生しているということは、炎症を起こしている可能性が考えられます。まずはその炎症を解消することが大切です。
1週間休んですぐに走り出していいかというと、そうではありません。ここからは再発防止のためのトレーニングも行います。再発防止のトレーニングと予防トレーニングは同じですので、何をすればいいのか次章で詳しく解説します。
ランニングでの膝の痛みを予防するために初心者が自分ですべき2つのこと
練習のしすぎはきっかけであり、膝を痛める根本的な原因は4つあります。
・膝の周りの筋肉が弱い
・筋肉の柔軟性不足
・自分の走りに合っていないシューズを選んでいる
・ランニングフォームが悪い
このうち、自分で予防のためにできることは、筋トレとストレッチです。筋トレで膝の周りの筋肉を鍛えて、ストレッチでケガをしにくい柔軟性のある体を手にします。スクワットをサボりがちな人が多いのですが、練習後もしくは寝る前にかならずスクワットをしましょう。
それに合わせて筋トレをしてください。ランジスクワットと縄跳びくらいでOKです。3日に1回のペースでスクワットと縄跳びをしましょう。最初は物足りないくらいでかまいません。すでに膝を痛めている人は、ほんの少しでも違和感があったらスクワットも縄跳びも中断してください。
筋トレはとにかく時間がかかります。2~3年計画くらいのつもりで、慌てず焦らず丁寧にいきましょう。
シューズ選びとランニングフォームの見直しは、残念ながら自分でできるものではありません。シューズは知識のある店員さんに相談するという方法もありますが、走り方を見ていない人が「これがいいです」と正しく判断することは容易ではありません。ランニングに詳しいラン仲間に相談しましょう。
RUNWAYではシューズのアドバイスも行っていますので、最適なラン仲間がいないという場合にはご相談ください。もちろんランニングフォームのチェックも行っていますので、ケガをしてしまって困っている人はいつでもご連絡ください。
まとめ
ランナーは長く走っていると多かれ少なかれ、何らかのケガを負ったまま走り続けることになります。消耗した関節が自然治癒で元に戻ることはありませんので、そのケガのリスクを最小限に抑えられるかどうかは、初心者のうちにどう走ったのかが大きく影響します。
きちんと筋トレで体を作って、ストレッチでケアをする。それに加えて正しい走り方を身につけることと、自分に合ったシューズを選ぶことも大切です。これを早い段階でしておけば、大きなケガをすることなくランニングを継続できます。
まずはできることからということで、3日に1回のスクワットと縄跳びトレーニング、毎日のストレッチを行ってください。それでも痛みが出てしまったら、パーソナルトレーニングを利用して走り方や体をチェックしてもらいましょう。