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マラソンランナーは何を食べるべき?ランニングと栄養の深い関係

マラソン大会で結果を出そうと考えたとき、トレーニングのことばかり考えてしまいがちですが、ランナーとして成長したいなら、食事と睡眠についても考えなくてはいけません。「トレーニング・食事・睡眠」はランナーにとって重要な3つの柱であり、1つでも欠けると優れたランナーにはなれません。

 

そこで、ここではランナーは何を食べるべきなのか、ランナーにとって最適な栄養というのは何なのかについて説明していきます。

目次

ランナーに最適なスーパーフードはない

まず認識してもらいたいのは、「これさえ食べておけば大丈夫」というような、スーパーフードは世の中にはありません。マラソン前日に川内優輝選手がカレーライスを食べるのは有名な話ですが、これを真似てみても、川内選手のような走りができるようになるわけではありません。

伝説のウルトラランナーのスコット・ジュレクはベジタリアンで、動物性たんぱく質を口にすることはありません。もちろん、これも安易に真似ていいものではありません。動物性たんぱく質を摂取せずに、必要なカロリーとたんぱく質を摂取しようとすると、毎月の食費が驚くほど高くなります。

誰かの食生活を真似てみても、それほど大きな意味はなく、それよりもバランス良い食事を継続するほうが健全だということを、まずはしっかりと認識してください。楽して走れる体を作れるほどマラソンは甘いものではありません。

ランニングにおいて糖質制限は絶対にNG

ここ数年でダイエット経験のある人にとって、「糖質=悪」という印象があるかもしれませんが、この考え方は改めてください。ランニングをしたいなら、マラソンを走りたいなら糖質は絶対に必要です。

有名なランナーが「糖質はなくても体脂肪を燃焼すれば走れる」と言っていたりしますが、それは1分1秒を削るようなトップレベルの話で、市民ランナーが真似るような話ではありません。もちろん体脂肪を燃焼させれば、効率よく走ることができますが、体内の糖質が減りすぎると、人によっては思考スピードが鈍くなります。

マラソンやランニングは思った以上に頭を使うスポーツです。走っているときには、自分の走りがおかしくないか、ずっと注意を払っていますし、突然飛び出してきた車や自転車を回避しなくてはいけません。糖質が不足するとそういうときに集中力が足りなくて、回避しきれなくなったりします。

ランナーにとって糖質は燃料です。いくら鍛えに鍛えても、燃料がないことには体というエンジンは動きません。どうしてもお米やパンに抵抗があるというのであれば、ご飯やパンの代わりにオートミールを主食にしてください。

詳細についてはまたお話しますが、オートミールは食物繊維が豊富で、糖質も十分にあるので良質な燃料になります。

たんぱく質はやや不足くらいがちょうどいい

たんぱく質は体を作る材料です。これがないと筋肉も血液も作ることができません。ですので、たんぱく質はたくさん摂るべき……と言いたいところですが、話はそんなに簡単ではありません。たんぱく質の摂り過ぎは筋肉肥大につながります。

筋肉が大きくなると、体重が増えてしまいます。ランニング速度は体重に反比例しますので、体重は軽ければ軽いほど有利です。トップレベルまで痩せると、痩せすぎがマイナスになることもありますが、体脂肪率が10%を超えるような市民ランナーで問題になることはありません。

もちろん、たんぱく質がいらないというわけではありません。たんぱく質を摂取しないと回復が遅れてしまうので、質の高い練習の頻度を下げなくてはいけなくなります。

・回復に必要なだけのたんぱく質は必要
・筋肉が肥大しないようにコントロールしなくてはいけない

このバランスをいかにして保つかが、ランナーにとって大きなテーマになります。これに関しては、自分で確認しながら最適な量を見つけるしかありません。意識的に減らしてみたり、増やしてみたりして、最適解を見つけ出しましょう。

まったく指標がないというのも困ると思いますので、まずは国が定めている推奨量を参考にしましょう。

男性:60g/日
女性:50g/日

これはお肉の量ではないので注意してください。自分でよく食べる食材のたんぱく質の含有量を調べておき、それをどう組み合わせれば推奨量に届くのかをよく考えましょう。この推奨量で疲労が残りやすい場合には摂取量を増やし、足に筋肉が付きすぎたという場合には、減らすようにしてください。

鉄分不足にならないように気をつける

ここまでの説明で、ランナーの食事と一般人の食事、実はそれほど変わらないということをわかってもらえたかもしれません。実際にトップランナーでもない限り、食べるべきものに違いはありません。ジャンクフードやスナック菓子を避けてほしいくらいです。

ただ、ひとつだけランナーが気をつけなくてはいけない栄養素があります。それが鉄分で、ランナーの多くが隠れ貧血という状態にあります。ランニングは何度も足の裏を地面に叩きつけるため、そのたびに赤血球が潰れていきます。

赤血球は酸素を運ぶ役割があるので、赤血球が減ってしまうとランニング中に細胞まで十分な酸素を運ぶことができなくなります。そこで、赤血球を作れる環境を整えてあげる必要があります。そのために必要な栄養素が鉄分です。

最も効率よく鉄分を摂取できるのはレバーですが、レバーが苦手という人もいると思いますので、その場合には次のような食材を積極的に食べるようにしましょう。

・こんにゃく
・あおのり
・ひじき
・あさり
・牡蠣
・大豆

走っていて原因不明のめまいを起こすというランナーは、貧血になっている可能性があります。これはシリアスランナーほどなりやすいので、熱中して走ってしまう人で心当たりのある人は、食生活の見直しをして、鉄分をしっかりと摂取しましょう。

まとめ

ケニアなどからやってきた大学駅伝の留学生の多くが、日本人の食事を見て「食べ過ぎだ」と言います。トップランナーの食事は質素で、ギリギリの栄養しかないもので、体重を増やさないための努力をしています。速く走れる食事というのはそういうことです。

そこまで市民ランナーがすべきかどうかは、人それぞれに考え方が違うかと思いますが、少なくとも健康的ではありません。

市民ランナーにとっての食事というのは、栄養バランスがよくて十分なカロリーを摂取できるものでなくてはいけません。もちろんストイックに追い込みたいなら、栄養バランスを崩して痩せるという方法もありますが、少なくともRUNWAYではおすすめしません。

食事はこれまでから大きく変えなくても構いません。しっかり食べて、しっかり走るようにしましょう。ただ、鉄分不足だけは気をつけてください。普段から鉄分が多めに含まれている食材を意識して摂るようにしてください。

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