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ランニングはフォアフット着地と踵着地どちらが正解か

話題になったナイキのランニングシューズのヴェイパーフライは、フォアフット着地に適したシューズとして知られています、前足部から着地をすることで、ソールに仕込まれたカーボンプレートがテコの原理で踵を持ち上げてくれるためです。

でも、数年前までは「ランニングは踵着地」という考え方が一般的でした。現在でもいくつかのシューズメーカーは、踵着地を意識したランニングシューズを作っています。これではフォアフット着地と踵着地のどちらが正しいのか分かりませんよね。

そこで、ここではそんなランニングにおける着地方法について、初心者でもわかるように詳しく解説していきます。

目次

ランニングの基本となる3つの着地方法

ランニングにおける着地は、フォアフット着地・踵着地が有名ですが、実はもうひとつ着地方法としてフラット着地(ミッドフット着地)があります。

フォアフット着地:前足部から着地
踵着地:踵から着地
フラット着地:足裏全体で着地

どの走り方がいいですか?と聞かれることがありますが、残念ながらこれに正解はありません。あえて正解を挙げるとすると「自分に無理のない着地を選ぶ」ということになります。そして、どれか1つに固執する必要はなく、むしろ私たちは自然とそれらを使い分けしています。

例えば歩くときは踵着地になりますし、短い距離のダッシュをすればほとんどの人が踵を接地させないフォアフットになるはずです。着地方法はこのように、それぞれの個性に合わせて自然と決まります。

アフリカ系ランナーがフォアフットだという誤解

そもそもフォアフット着地が注目された理由は2つあります。

ひとつが裸足ランニングブームによるもので、裸足は踵から着地すると足が痛くなるので自然とフォアフットになります。そして、裸足でフォアフットを習得した人たちの多くが、膝などの関節痛から開放され「フォアフットは安全」という流れができました。

そして、もうひとつが「ケニアやエチオピアのランナーはフォアフットだ」という分析結果から、世界で勝つにはフォアフットで走らなくてはいけないという風潮ができてしまいました。

でも、実際にアフリカ系ランナーがフォアフットになるのは、レースペースで走るときだけです。トップランナーでも、ジョグをするときにはフラット着地もしくは踵着地になります。実際にナイキはレースシューズはフォアフット向けに開発し、ジョグシューズは踵を着地させる前提で開発しています。

ですので、必ずしもフォアフット着地が正しい着地方法とは限りません。特にランニングを始めたばかりのランナーは、それほどスピードを出すこともないはずですので「フォアフットにしなきゃ」と考える必要はありません。

まずはフラット着地の習得を目指してみる

それでは私たち市民ランナーは、どのような着地方法を選ぶべきなのか。結論としては別にどんな着地方法でもいいですし、なるようにして走ればいいだけのことです。でも、それでは納得できない人も多いかと思います。

どうしても意識的な着地を身に着けたいなら、まずはフラット着地を覚えましょう。足裏全体で着地するフラット着地は安定感も高く、そしてそこからフォアフット着地にも踵着地にも移行しやすいので応用が効きます。

裸足ランニングを始めた人が、「下り坂でもフォアフットにするのですか?」と聞いてきたことがあります。普通に考えれば、下り坂は踵着地になるのは分かりそうなものなのに、頭の中で「フォアフットにしなきゃいけない」と意識してるから、そんなことが起こります。

着地は狙ってするものではなく「そうなるもの」です。ただ「そうなる」としても、フラット着地を習得しておけば臨機応変な対応ができるようになります。

フラット着地はとても簡単です。足裏全体ができるだけ同時に着地できるように、着地位置を決めるだけです。ほとんどの人は体の重心の下で着地すればフラットになります。ちょっとずつ着地位置をずらしてみて、足裏全体がペタッと着地できる場所を見つけましょう。

シューズによって最適な着地方法は変わってくる

着地方法は自然でいいとお伝えしましたが、ひとつだけ厄介な問題があります。それは、どのランニングシューズも、ひとつの着地方法に最適化されているということです。アディダスならTAKUMIはフォアフットですが、アディゼロジャパンはフラット気味、ボストンは踵着地向きです。

アシックスのメタライドは踵着地をして、足裏全体を転がすようにして走ります。そのような特定の走り方をしなくてはいけないシューズと自分の走り方が違うと、走りにロスが生まれて思ったような走りができません。

これは必ず覚えておいて欲しいのですが、どのシューズも着地方法は決まっています。メーカーは「どんな走り方でも合う」と言いますが信じてはいけません。「どんな走り方でも合う」シューズは「どんな走り方にも合わない」シューズです。

だから、シューズ選びはとても難しく、お店で試し履きしただけでは自分に合っているかどうか判断ができません。なので、まずは自分の着地方法をパーソナルトレーナーなどにチェックしてもらい、その走りに合ったシューズをショップの定員さんに提案してもらうのが理想です。

RUNWAYではそのようなサポートもしているので、自分に最適なシューズを見つけられないという場合には、ぜひご相談ください。

まとめ

ランニングを始めたばかりは、情報がとても多くて何を信じていいのかわからずに困ってしまいます。しかも最近は相反する2つの理論が、どちらも正当性を主張するというようなことが発生しています。

ランニングにおける着地方法も同じで、フォアフット着地がいいと主張する人もいれば、踵着地にすべきだと主張する人もいます。でも、大事なのは着地方法そのものではなく、その走り方が自分に合っているということです。

また、自分に合っている走り方でも、その着地方法に合っていないシューズを選ぶと、気持ちよく走れません。それでは自分のポテンシャルを引き出すことができませんので、きちんと自分の走り方、着地方法に合ったランニングシューズを選びましょう。

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