膝の位置を正しい位置に持っていくことでケガを回避する
ランナーは一人ひとり筋肉の付き方に違いがあります。学生時代にやっていたスポーツによっても発達している筋肉が違いますので、走るときのフォームも自然と個性が出てきます。これは悪いことではないのですが、人によっては膝に大きな負担がかかってしまいます。
その結果、ほとんどのランナーは膝が本来あるべき場所からズレた状態で走っています。日常生活でも膝がズレていて、そこで生活するのがあたり前になっています。だから本人は気づかないのですが、そのまま走り続けたらいずれケガをします。
そうならないために、膝が正しい位置に矯正する。これはランニングをしながらでも矯正できるので、その方法について解説していきます。
目次
自分の膝の位置を確認してみる
まずは足裏がしっかりと地面につく椅子に座ってください。片足ずつチェックしていきましょう。自分が走っているときのイメージで足を地面に接地してください。このとき真上から見て膝はどこにあるでしょうか?結論から言えば足の甲の真上に膝があればOKです。
そういう人はここから読み進める必要はありません。きれいな足の位置で、オーバートレーニングさえ気をつければきっとケガを回避してランニングを続けられます。問題は写真のような位置関係になっておらず、膝がもっと内側や外側にあるケースです。
この場合は膝の位置がズレています。その状態で踵を上げてもらえば膝に引っかかりや違和感があるはずです。人によっては、膝の位置がさらに内側や外側に逃げるかもしれません。走るときにはこれがオーバープロネーションやアンダープロネーションになります。
難しい言葉を抜きにして説明すると、膝に捻れの力がかかるということです。膝は捻れに耐えられる構造ではないので、何度もそれを繰り返すとケガになるわけです。ですので、まずは自分の膝の位置を確認して、どのような傾向があるかを把握してください。
正しい膝の位置を体で覚える
膝がズレているとわかれば、それを戻すだけです。座っている状態なら簡単に戻せるはずです。座ったまま膝だけをゆっくりと足の甲の真上に移動させてください。人間の体は面白いもので、この真上の位置にきれいに収まるようにできています。
例えば膝が内側にある人は、ゆっくりと外側に移動させるわけですが、足の甲の真上まで来るとそれ以上は膝が外側にはいきません。膝が外側にある場合も同じで、正しい位置よりも内側にはいきません。太ももから動かそうとすればもちろん真上を超えて動きますが、膝だけを意識すると自然と正しい位置に収まります。
そして、正しい位置に収まると、今度はそこから内側にも外側にも動かなくなります。安定しているから、そこから不安定な位置には無理に力をかけないと動きません。
大事なのはここからです。正しい位置がわかっても、いざ立って走ろうとしたときに膝の位置を見失ってしまいます。ですので、正しい位置になったときの足裏の感覚を覚えてください。土踏まずを除いた足裏全体に等しく力がかかっているはずです。
5本の指すべてが設置していて。前足部も外踏まずも踵も等しくペタッとしている感覚がわかるでしょうか。わからないという人は、膝の位置を元のズレた位置に戻してみましょう。内側に膝がある人は外踏まずが浮き、外側に膝がある人は親指が浮いているはずです。
そこから正しい位置に移動させて、足裏で「ペタッと全面で接地する感覚」というのを覚えてください。
ランニング中に足裏の接地感覚を再現する
「ペタッと全面で接地する感覚」を覚えたら、今度は立ってみましょう。そして膝の位置を動かしてその感覚になる位置を見つけてください。膝の移動は数ミリ程度です。これが基本の姿勢になります。日常生活でもこの感覚を常に意識してください。
最初は歩くことから始めましょう。ものすごく違和感があるはずです。これまでとまったく違う歩き方になるので当然です。ただ、感覚の鋭い人ならおそらく膝が軽くなったのを感じるはずです。階段を上るとそれがよくわかります。膝がさっと上がります。
歩くのに慣れたら、次はランニングです。足裏の感覚は忘れないように走ってください。こちらも最初はぎこちなくなります。さらに筋肉ができていないので、スピードは落ちます。でも1週間も続ければ違和感が薄れますし、徐々にスピードも戻ってきます。
ぎこちないものの、どことなく安定している感じがあるはずです。しっかり接地できているので、体のブレがなくなります。腕振りもこれまでよりも小さくなっているはずです。膝のプロネーションがなくなって体そのものが捻れなくなっている証拠です。
この状態を自然にできるようになるまで、足裏をしっかりと意識して走りましょう。
まとめ
膝の位置を正しくセットする。これまで聞いたこともない考え方かと思います。それぞれに癖があるので矯正することになるので、自然に接地できるようになるまでどうしても時間がかかります。それまでマラソンのタイムも落ちるはずです。
その代わり、ケガをしにくい体を手に入れることができます。しかも効率よく体を使えるので、筋力の消耗も少なくなります。最終的には後半に失速しにくいランナーになるはずです。そのために2〜3ヶ月程度の矯正を行うかどうか。
また、言葉での説明でしたので、まったく意味がわからないという人もいるかと思います。そういう人のためにRUNWAYではパーソナルトレーニングや練習会(グループレッスン)を行っています。興味があるという人は、ぜひお問い合わせください。練習会はHPから直接申し込めますので、ぜひご利用ください。