BLOG

ブログ

マラソンを速く走れるのは遺伝子が影響?速筋と遅筋の違いを解説

ランナーであれば1度は速筋や遅筋という言葉を、耳にしたことがあるかと思います。私たちの筋肉は速筋と遅筋の2種類あり、それぞれは生まれながらに割合が違うとされています。生まれながらに速筋が多い人は短距離走に向いており、遅筋が多い人は長距離走に向いているというのが定説です。

もしそれが事実であるなら、フルマラソンには向いていない体と向いている体の2タイプがあり、向いていない人がどれだけ頑張っても、マラソンを速く走ることができないことになります。そこで、今回はマラソンの速度は遺伝によって決まるのかどうかという視点で、速筋と遅筋について解説していきます。

目次

速筋と遅筋の違い

私たちの筋肉には、白っぽい速筋(白筋)と赤っぽい遅筋(赤筋)の2種類があります。日本人はこの割合が5:5になるとされていますが、もちろん個人差があります。日本人の中にも速筋の割合が高い人と、遅筋の割合が高い人がいます。

速筋は糖分を主な運動エネルギーとして使うため、無酸素運動を得意としています。このため速筋の割合が多い人は100mや走り幅跳びといった瞬発力やパワーが必要な競技に適しています。一方の遅筋は酸素と糖、脂質をエネルギーとするため酸素を使う有酸素運動、すなわち長距離走に適しています。

速筋は短時間で力を出し尽くしてしまうのに対して、遅筋は爆発力はないものの長時間運動し続けることができます。だとしたら速筋を減らして遅筋を増やせば、マラソンに適した体ができそうですが、残念ながら速筋と遅筋の割合は生まれたときにほとんど決まってしまいます。

最新の研究では、長距離走を取り組み続けた結果、速筋を減らし遅筋が増えたという例もありますが、基本的には速筋の割合が多い人はフルマラソンなどの長距離競技が苦手です。走れば走るほど足が太くなっていくタイプの人がそれで、逆に遅筋が優位の人はトレーニングをしても足がそれほど太くはなりません。

ということは、生まれつき速筋優位な人は、マラソンでどれだけがんばっても意味がないと思うかもしれませんが、もちろんそんなわけではありません。筋肉が100%速筋という人も100%遅筋という人もおらず、多少どちらかが優位になっている程度で、速筋優位の人でも遅筋があり、鍛えることで走力はアップします。

遅筋を鍛えるために長距離ジョグが有効

遅筋を鍛えるときには、私たちが思い浮かべるような筋トレは不向きです。足に高い負荷をかけて力を入れたり抜いたりするという方法では遅筋を鍛えることはできません。遅筋の強化をしたいのであればLSDのような長距離ジョグを取り組みましょう。

LSDは頑張った感がないので、あまり取り組まない市民ランナーも多いようですが、ランナーにとって本当に必要なのは遅筋のトレーニングであり、そのためには会話を楽しめる程度のゆっくりとしたスピードで走る必要があります。そういう意味ではウォーキングやサイクリングも効果的です。

体幹の基本となるインナーマッスルはその多くが遅筋ですので、プランクのような体幹トレーニングも遅筋を鍛えるのに有効です。基本的に遅筋トレーニングは地味なものが多く、目に見えて成果が上がるわけではないので、達成感を得るのが難しいのですが、継続すれば必ずプラスに作用します。

また長距離ランナーには柔軟性も求められますので、入浴後のストレッチも積極的に行いましょう。必要以上に柔らかくすることはランニングにおいてもマイナスですが、市民ランナーのできる範囲で得られる柔軟性がマイナスになることはほとんどありません。

ゆっくり走ることと毎日のストレッチを心がけて、走れるための遅筋づくりをしていきましょう。

速筋もある程度ないとスピードを出すことができない

短距離は速筋、長距離は遅筋がメインになりますが、マラソンの場合は遅筋だけを鍛えていても速く走ることはできません。フルマラソンのトップレベルはキロ3分ペースですので、100mを18秒で走ります。これは成人男性でもそこそこ真面目に走らないと出せないペースです。

これを悠々と出せるようにならないとトップレベルでは競い合えません。もちろん私たち市民ランナーがそのペースで走る必要はありませんが、例えばフルマラソンでサブ3.5をするにはキロ5分で走り切る必要があります。

このキロ5分のペースを出すときには、遅筋だけでなく速筋もある程度は使います。サブ3のキロ4分15秒となると、速筋が鍛えられていないとその領域で走り続けるのは困難です。ですのでRUNWAYの練習会ではスクワットやジャンプなどの筋トレを行っています。

若いうちは筋トレをしなくても筋力の強さでスピードを出せても、30代後半になってくると筋力は顕著に落ちていきます。ですので年齢とともに衰えたくないのであれば、筋トレとポイント練習が必須になります。ただし順番が大切です。まずはLSDなどで遅筋を鍛えてから、筋トレやポイント練習で速筋を鍛えてください。

速筋から鍛えようとすると膝などが耐えられなくてケガをします。LSDは遅筋を鍛えるだけでなく関節周りの小さな筋肉に刺激を与えて強化してくれます。まずは体作りを徹底して行い、そこから速筋を鍛えていきましょう。

まとめ

オリンピック出場を狙うのであれば、遺伝的な速筋と遅筋のバランスがとても重要になりますが、市民ランナーレベルにおいては、速筋優位のランナーでも遅筋をLSDなどで鍛えることでそれなりの走りはできるようになります。

ただし、遅筋を鍛えるトレーニングはとても地味で、結果も簡単には出ません。それでも地道にトレーニングを積み重ねていくことで、自分の理想とする走りに少しでも近づいていけます。ただし、速筋のトレーニングをしないと加齢でスピードが落ちていきます。

まずは遅筋を鍛えつつ、余裕がある人やさらにレベルアップを望む人はポイント練習や筋トレで速筋を鍛えてスピードを養いましょう。筋トレの方法などがわからないという人は、ぜひランウェイの練習会にお越しください。

SHARE

ブログ一覧

ホーム > ブログ > マラソンを速く走れるのは遺伝子が影響?速筋と遅筋の違いを解説