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ペース走はどんな効果がある?適切なペースと距離の決め方

ポイント練習の中でも比較的地味なトレーニングのひとつであるペース走。その名前の通り決められたペースで走るトレーニングなのですが、いざやってみようと思うと、どれくらいのペースで何キロ走ればいいのかわからなくて、適当にやっていたりしますよね。

そこでここでは、効果的なポイント練習をするために、ペース走の基本的な考え方と、自分のペースや距離の決め方などについて、わかりやすく解説していきます。

目次

ペース走の目的

ペース走はテンポ走とも呼ばれるトレーニング方法で、決められた距離を一定のペースで走り切るトレーニングです。目的は心肺機能の向上とペース感覚を養うことにあります。これら2つの効果の融合により、ランニングエコノミーが高まるというメリットもあります。

さらには筋肉そのものの耐久性を上げることもできます。マラソンは繰り返し地面を叩く作業を行うスポーツですが、これにより筋損傷が発生します。ペース走を行うことで筋肉が強くなり、筋損傷が起こりにくくなるという効果も期待できます。

心肺機能の向上の具体的な説明をしておきましょう。私たちにはATペースというものがあります。これは有酸素運動の範囲で走り続けられるペースのことで、ペース走を行うことで、このATペースが上がることがわかっています。

ペース走はマラソンペースで行う

いろいろと考え方はありますが、ペース走はマラソンペースをひとつの目安にしてください。10kmや20kmでペース走をするときに、それではスピードが遅すぎて効果が得られないような気がしてペースを上げがちですが、それでは上記の効果を得ることはできません。

サブ3が目標なら4分16秒/km、サブ4が目標なら5分40秒/kmのペースで、10kmや20kmなどの決めた距離を走り続けましょう。途中でペースが落ちたときには、踏ん張ってペースを維持しようとしなくても構いません。そういう日もあるのだと割り切って、ペースを落として走り続けましょう。

距離はどれくらでも構いませんが、まずは10kmからスタートしましょう。マラソンペースで5kmでは短すぎますし負荷がかかりません。そこそこ走った状態にまで追い込みたいので、まずは10kmからはじめて、徐々に距離を伸ばしていきましょう。

通常は15kmくらいまででOKですが、最初に10kmが余裕すぎると感じたら、次回は15kmにして徐々に距離を伸ばして20kmくらい走りましょう。それ以上は疲労が残りますし、ケガのリスクも高くなるので距離は伸ばさなくてもOKです。

マラソンペースで走ればレース本番で無理なく走れる

ペース走をマラソンペースで行うのは、ペース感覚を養うためでもあります。市民ランナーの多くが一定のペースで走り続けるのが苦手です。だからレース中にペースを上げたり下げたりするのですが、それではロスが発生して後半に失速する原因になります。

GPSランニングウォッチを見ることなく、設定ペースで走れるようになるのを目指しましょう。そのためにはフラットな周回コースがおすすめです。近所にアップダウンが少なく、1周が1〜2kmくらいの距離になっているコースや河川敷で行いましょう。

最初はランニングウォッチを見ても構いませんが、自分でどれくらいのスピードなのか予想し、そのうえで実際のペースを確認するといった使い方をしましょう。最初は感覚とペースが一致しないかもしれませんが、継続していればペース感覚が鋭くなり、レースでのオーバーペースを防げるようになります。

またペースを上げたくなっても我慢しましょう。天気が良くて気持ちがいいからペースアップするというのは最悪の選択肢です。ただ走っているだけのトレーニングになってしまいますので、必ず最初から最後まで一定のペースで走りましょう。

レースを意識することが大切

ペース走はレースペースで行うとお伝えしましたが、それはレースが決まっているということでもあります。次に走るレースが決まっていて、どれくらいのタイムを狙うかが明確になっていれば、ペース走は効果的ですが、レースが決まっていないとペース走はあまり意味はありません。

ポイント練習は誰かにすすめられたからやるものではなく、きちんと意味をもたせて行う必要があります。インターバルならレースを想定せずに、自分を追い込んでいけばいいのですが、ポイント練習はそうはいきません。必ず出場する大会が決まってからトレーニングに取り入れましょう。

レースが決まったら、ペース感覚を磨くためにも週に1回は行いましょう。週2回あるポイント練習のうち1回はインターバルか距離走を行って、もう1回をペース走にあてましょう。思い通りにレースを走るために、これほど効果てきなトレーニングは他にありません。

ポイント練習はペース走を中心に組み立てるようにしましょう。

まとめ

ペース走はとても地味なトレーニングです。マラソンペースで走るので、負荷があまりなく「頑張った」感じが残らないので、本当に成果が出るのか不安になります。それでも意味もなくペースを上げないようにしてください。ペース走は決めたペースを最後まで維持し続けることに意味があります。

追い込むと速くなると思い込んでいる人もいるようですが、そんな非科学的な根性論で速くなるほどマラソンは単純ではありません。人間の体の構造をきちんと理解して、効果的なトレーニングを行いましょう。

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