HIITを取り入れよう!たった4分でランニングの景色が変わる
市民ランナーの多くが仕事を抱えており、思うように練習時間を確保できていないかと思います。でも効率よくトレーニングを行うことで、実業団の選手並みに体に負荷をかけることができますし、なんと1日たった4分で有酸素運動能力も無酸素運動能力を上げることができるトレーニング方法があります。
それがHIIT(高強度インターバルトレーニング)で20秒の高強度トレーニングと10秒の休憩を組み合わせて8セット行うだけで、驚くほど走力がアップすることで知られています。ただ、本来のHIITから派生したトレーニング方法も増えており、本質が失われているケースもあります。そこで、ここでは本来のHIITの基本的な考え方と実践方法をご紹介していきます。
目次
シンプルで分かりやすいタバタ式がおすすめ
HIITの方法はいくつもありますが、基本という意味ではタバタ式がおすすめです。立命館大学の田畑泉教授を中心としたグループが開発したHIITのトレーニング方法で、20秒の高強度トレーニングと10秒の休憩を1セットとし、8セット行います。
これを週5回行ったところ、有酸素運動能力と無酸素運動能力のいずれも向上しました。30秒の8セットなのでたった4分のトレーニングです。これくらいの時間なら、どれだけ忙しい人でも確保できるはずです。
実際には高強度トレーニングを行うので、十分に体を温める必要がありますが、それでも1日30分程度のトレーニングで十分だということになります。短時間で終わるのでケガのリスクも少なく、効率よく鍛えることができるわけです。
HIITをランニングに取り入れる方法
HIITで行う高強度トレーニングは最大心拍数が90%以上になる運動なら、何をしても構いませんが、現実的に最大心拍数をそこまで上げられる運動はそこまで多くありません。ランナーならシンプルにランニングを入れましょう。ダッシュをする感覚でほぼOKです。
全力に近い速度で20秒走り、10秒休憩を入れる。これを8回行ってください。本当は心拍計を確認したほうがいいのですが、GPSランニングウォッチは心拍数の上がりが遅く表示されることもあり、あまり参考になりません。それよりも「ほぼ」全力のほうが正確です。
そもそも最大心拍数の90%を大きく上回るスピードで8本も走ることが不可能ですので、繰り返していれば自然とペースを掴めるはずです。正しく行いたいのであれば、精度の高い心拍計を購入してもいいのですが、そもそも正確な最大心拍数を算出することも難しいので、やはりあまり意味はありません。
最初は負荷をかけすぎないこと
HIITは最大心拍数の90%の高負荷トレーニングを行う必要がありますが、普段から追い込む練習をしていない人が、いきなりそんなトレーニングを行うと、体のあちこちに問題を抱えてしまいます。初めて行うときには、負荷を意図的に下げて行いましょう。
無理なく8セットできればOKだと考えて、そこから徐々に負荷を上げていきましょう。ランニングだと膝にかかる負担が大きいので、自宅でマウンテンクライマーをするのもおすすめです。マウンテンクライマーのやり方がわからないという人はYouTubeで調べておいてください。
最初は無理のない方法で行い、筋トレも合わせて行ってください。足が90%の出力に耐えられるようになってから、ランニングでのHIITを行うのが正しいトレーニング方法になります。慌てず焦らず、まずは体を慣らすことから始めてください。
もちろん自身があるならランニングでのHIITから始めても構いませんが、違和感があったらすぐにストップしてください。90%の負荷の繰り返しというのは思いの外、関節や筋肉に負担をかけてしまいます。数ヶ月かけてできるようになれば問題ありません。たっぷり時間をかけてください。
また、HIITをしたあとは必ずクールダウンを行ってください。ジョグやストレッチを行って体のケアをするまでがセットのトレーニングです。HIITは4分ですが、クールダウンとストレッチには十分な時間を割きましょう。
体重が落ちるかどうかは人によって違う
HIITをダイエット方法として勧めている人がいますが、少なくともタバタ式のHIITにはダイエット効果はありません。たった4分で脂肪が燃焼するほどダイエットは甘いものではありませんので、1日4分で痩せられると言う人がいても信じないでください。
ただまったく痩せられないかというとそうでもなく、脂肪が燃焼しやすい状態にあるため、HIITを行った後にジョグをすれば当然脂肪燃焼効果を期待できます。さらに筋力アップにもなるので、基礎代謝が増えるという効果もあります。
それでもHIITだけで痩せるということはまず考えられません。HIITは楽して痩せるトレーニング方法ではなく、効率的に有酸素運動能力と無酸素運動能力を高めるトレーニング方法です。この部分を間違わないようにしましょう。おまけで痩せられたらいいくらいに考えておきましょう。
ちなみにHIITを行ったあとは、食欲が抑えられるという人が多数います。空腹感がなく、間食をすることもなくなるので摂取カロリーが減り、結果的に痩せるというケースもあります。これは個人差がありますが、空腹感がなくなった人は無理なく痩せられるかもしれません。
まとめ
HIITは短時間で効率的に心肺機能を高めることができるトレーニングです。科学的根拠もあり、すべてのランナーに取り入れてもらいたいところです。通常のポイント練習ほどは筋肉に負荷もかかりませんので、ジョグの日に4分だけ行うのがおすすめです。
ただし、最初から完全なHIITに耐えられる体を持つ人はいないので、まずは軽い負荷で体を慣らしていきましょう。最初はランニングでなくてもかまいません。ケガのリスクを考えればマウンテンクライマーがおすすめです。
体ができてきたら、徐々にランニングに移行して、最終的には「ほぼ」全力ダッシュ×8セットで行ってください。筋トレ効果も期待でき心肺機能向上だけでなく、総合的な走力アップに繋がります。伸び悩んでいるランナーはぜひHIITを取り入れてみてください。
詳しく指導を受けたいという場合には、RUNWAYのパーソナルトレーニングや練習会に参加してください。