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マラソンはどんな距離であっても3分割で組み立てる

マラソンは準備のスポーツであり、スタートラインに立ったときにはレースの90%が終わっているとも言われています。実際にスタートラインに立ったとき、自分が出せる記録の上限は確定していて、あとはいかにそこに近づけるかが重要になります。

自分のポテンシャルをしっかりと引き出したいなら、どんな距離のレースでも3分割で組み立ててみましょう。フルマラソンなら14km×3、ハーフマラソンなら7km×3というように考え、それぞれのブロックごとに意識を切り替えていきます。その3分割法について解説していきます。

目次

レースを組み立てるという意識を持つ

ほとんどのランナーが、まずは目標タイムを決めて、そこからペースを計算し、レースではそのペースを維持しながら走ります。そして後半に失速して反省するわけですが、これはまったくおすすめできないアプローチになります。

そもそも目標タイムというのが、自分の現時点でのポテンシャルやコンディションを考えたものではなく、ざっくりとサブ3やサブ3.5といった目標を立てているという人がほとんどですよね。もちろん過去の実績からある程度は予測できますが、レース環境は常に変化します。

だから、本当は走り出してからペースを決めなくてはいけません。トップランナーは別です。勝たないといけないので、集団についていくしかありませんが、市民ランナーは「今日の自分のベストを尽くす」のがレースです。

だから自分なりにコンディションを確認し、その日のレース展開を走りながら決める必要があります。コンディションがよくないならペースを抑えめにしたり、体が軽い場合は慎重かつ大胆に走るといった組み立てをしたうえでレースを走ります。

そのときに何も考えずにスタートするのではなく、レース全体を3分割して走るわけです。最初のブロックですること、途中のブロックですることを明確にしておくことで、感覚だけで走るといういきあたりばったりのレースではなくなり、安定した成績を残せるようになります。

3分割法とそれぞれのブロックの役割

マラソンを上手く組み立てたいなら、レースの距離を1/3ずつに区切ってください。フルマラソンなら14kmごとに3つのブロックに分けます。10kmや5kmは3分割しにくいのですが、厳密でなくてもかまいません。例えば10kmなら3km-4km-3kmの3分割でもOKです。

最初の1/3:その日のペースを決める
途中の1/3:決めたペースでクルージングする
最後の1/3:気持ちで走る

まずは最初の1/3でその日の自分のコンディションを確認しましょう。思った以上に息が上がるなら、そのコンディションで自己ベスト更新は無理です。想定ペースから徐々にスピードを落としていき、心肺機能に無理のないペースに調整しましょう。

その日のペースが決まったら、次の1/3はクルージングです。ペースを維持することに集中しつつも、マラソンの景色や他のランナーの足音、沿道の声援などを楽しみましょう。この時間のためにマラソンがあります。また、ここは補給をするブロックでもあります。

そして残り1/3ですが、これは5kmでもフルマラソンでも、必ず苦しくなるブロックです。どれだけ良い走りをしていても、むしろ良い走りをしているときほど残り1/3が苦しくなります。ただ、それを最初から想定していれば耐えられるはずです。

足が重たくなったら「予想通り」と考えて、それでも耐えるようにしましょう。これを乗り越えなければ自分を超えていくことはできません。ペースが落ちても必ず回復すると信じて、諦めずに走り続けましょう。

いきあたりばったりでは成長しない

レースを3分割することで、走り終えてからの振り返りがしやすくなります。もし後半に失速したなら、その原因がどこにあるのか、3分割で考えていると判断しやすくなります。オーバーペースだった場合には、最初の1/3で失敗しています。次のレースでは慎重にペース設定すれば、後半の失速を防げます。

エネルギー不足や脱水であれば、途中の1/3で正しく給水・給食ができていないのが原因です。ペースを維持しつつも、しっかりと補給をするように心掛ける必要があります。

3分割をすればこのように、どのブロックの何が問題だったのかが明確になり、それを次回に活かすことができます。ところがいきあたりばったりで走っていたのでは、どこに問題があるのか分からず、ある程度推定できても、次もまたいきあたりばったりなので経験が活かされません。

そういう意味では必ずしも3分割である必要はありません。もっと細分化してもいいのですが、大事なのは自分が振り返りやすい分割にするということです。レースでの経験を次に活かしやすいように、レースを組みたてやすいように分割しましょう。

いきなり正解は出ないと思いますので、まずは3分割してみてください。意外としっくりくると思います。そこから自分で微調整して、自分なりのスタイルを作っていきましょう。

まとめ

体力さえあればマラソンを走り切ることができますが、マラソンの奥深いところまで楽しみたければ「レースを組み立てる」という意識を持ってください。そして自分なりのスタイルを構築しましょう。ここでは3分割を推奨しましたが、分割数はそれほど重要ではありません。

満足できない走りになったら反省しやすいように、いい走りができたらそれを再現しやすいように分割してみましょう。ただし、考え方は何分割しようと一緒です。序盤はペースを決めるためにあり、中盤はそれを維持する時間帯、そして終盤は必ず苦しくなるので、それに耐えられるように備えるのが基本です。

レースをコントロールできるようになると、マラソンはもっと面白くなります。失敗と成功を次の糧にしてレースに挑めるので、自分の成長をより実感しやすくなります。失敗レースが続いているという方は、ぜひ次のレースで3分割法を試してみてください。

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