夏場の水分補給はスポーツドリンクか経口補水液がベスト
ランナーの中にはスポーツドリンクが苦手という人もいますよね。甘さがあってベタつくので、マラソン大会のエイドでもスポーツドリンクではなく水を飲むという人もいるかと思います。でも、ランニングの水分補給を考えたときに、本当に必要なのは水ではなくスポーツドリンクです。
むしろ水を飲み続けることはパフォーマンス低下に繋がり、有効な水分補給になりません。特に夏場は好き嫌い関係なく、無理してでもスポーツドリンクを飲む必要があります。ここではその理由や、どうしてもスポーツドリンクを飲みたくない人のために、代用品についてご紹介していきます。
目次
スポーツドリンクはなぜ甘いのか
まずはスポーツドリンクの甘さが苦手という人のために、なぜスポーツドリンクが甘いのかについて解説しておきます。スポーツドリンクは砂糖水を飲んでいるみたいなもので、「スポーツドリンク=体に良くないもの」と認識している人もいるかもしれません。
でもどの飲料メーカーも甘さを求めてスポーツドリンクに糖質を使っているわけではなく、より効率よく体に水分を届けるために、スポーツドリンクに糖質を入れています。そうすることで腸での水分吸収を促進することが分かっているためです。
砂糖はジュースのような味付けをするために入っているわけではなく、体に必要だから入っています。良薬口に苦しといいますが、スポーツドリンクが甘いのは水分を吸収しやすくするためで、機能的に必要なのだということを頭に入れておいてください。
もちろん砂糖はエネルギーにもなります。いくら水を飲んでもゼロカロリーなのでエネルギーにはできませんが、スポーツドリンクはカロリーがあるのでエネルギーにできます。そのエネルギーはわずかですが、脂肪を燃焼するための着火剤としては役立ちます。
スポーツドリンクは薄めて飲んではいけない
水よりもスポーツドリンクのほうが優れているのは分かっているけど、やっぱり甘さが苦手という人の中には、スポーツドリンクを薄めて飲んでいる人もいるようですが、ランニングをするときにはこれはNGです。
なぜならスポーツドリンクの濃度は、体に吸収しやすくなるようにミネラルの配合が最適化がされているからです。例えばポカリスエットはほぼ体液と同じ成分・濃度でできており、腸に届くと速やかに吸収されます。
それなのに水で薄めてしまうと、濃度が低くなるので吸収する速度が遅くなってしまいます。お医者さんが処方してくれた薬を、自分の判断で飲む量を減らしているようなもので、これでは意味がありません。
もちろん普段の生活の中で水分補給をするだけなら、スポーツドリンクを薄めて飲んでもそれほど問題はありません。のどが渇いたら水を飲むのと同じようなことで、必要なミネラルなどは食事などからしっかりと摂れているはずですし、日常生活の水分補給にそれほどの緊急性もありません。
ランニングはとにかく汗をかきます。ランニング1時間あたり700-950ml程度の水分補給が必要としている研究もあり、それくらいの水分とミネラルを汗で失っているわけですから、それと同等の成分のスポーツドリンクで速やかに補う必要があります。
甘いのが苦手なら経口補水液でもOK
ここまでの説明でスポーツドリンクでの水分補給がいかに重要なのか分かってもらえたかと思いますが、それでも嫌なものは嫌だというのであれば、経口補水液を使いましょう。経口補水液はスポーツドリンクよりも電解質濃度が高く、吸収速度を速めるためにスポーツドリンクと比べて糖濃度が低くなっています。
甘さが抑えられているので、スポーツドリンクの甘さが苦手という人でも飲めるはずです。経口補水液にはいろいろな種類があり、味も飲みやすさも違います。有名なのは「OS-1」ですが、OS-1は飲みにくいと感じる人も多いようです。
飲みにくさは慣れで改善しますので、スポーツドリンクが苦手な人は普段のトレーニングから経口補水液を使って、飲みにくさに慣れておきましょう。それでも合わないという場合には、OS-1以外の経口補水液を試しましょう。
経口補水塩タブレット「O.R.S」のようにタブレットになっていて、水に溶かして飲むタイプだと濃度を自分で調整でき、飲みにくさも軽減できるのでおすすめです。持ち運びも簡単ですので1つ持っておくといいでしょう。
好き嫌いではなく必要だから水分補給を行う
スポーツドリンクも経口補水液も嫌いとなると、さすがにアドバイスできることはありません。水分補給は好き嫌いですることではなく、必要だからしなくてはいけないことです。スポーツドリンクも経口補水液も嫌なら、正直なところマラソンは諦めるべきです。
汗がじんわりにじむ程度の軽いジョギングにしておけば、水分補給で悩む必要なんてありません。夏場のランニングのように汗が滝のように流れている状態で、スポーツドリンクも経口補水液も飲まずに正しく水分補給できる方法はありません。
自分の健康を維持するため、自分の体を守るためにスポーツドリンクや経口補水液は必要なものです。体にとって必須なことであり、自分が好きか嫌いかは関係ありません。体への負荷を最小限に減らすための給水ですので、必ずミネラルを摂れるものを選びましょう。
ミネラルが含まれているという意味では麦茶を推奨している人もいますが、麦茶のミネラルではナトリウムもカリウムも足りません。水を飲むよりはいいのですが、スポーツドリンクのほうが優れています。麦茶は練習やレース以外での水分補給に活用しましょう。
麦茶100mlあたりのミネラル
・食塩相当量:0.03g
・マグネシウム:0.5mg
・カリウム:12mg
ポカリスエット100mlのミネラル
・食塩相当量 0.12g
・マグネシウム 0.6mg
・カリウム:20mg
大事なのは使い分けです。走っているときには、想像以上に体内からミネラルが失われています。それをいかにして補うかを自分なりに考えて、最適な水分補給を目指しましょう。